健康保険に関わる制度
後期高齢者医療制度
「広域連合」が運営する
後期高齢者医療制度は、都道府県ごとに全市区町村が加入する「後期高齢者医療広域連合」が運営します。保険料の決定、医療費の支給などは広域連合が行いますが、保険料の徴収などは市区町村窓口で行います。
保険料は都道府県ごとに定める
保険料の額は都道府県ごとに条例によって定められます。「世帯の人数(応益分)」と「所得(応能分)」により、加入者ごとの負担額が決定されますが、所得を満たさない場合は保険料の軽減措置がうけられます。
加入者全員が被保険者
後期高齢者医療制度では加入者全員が被保険者となり、保険料を負担します。また、健康保険の「被扶養者」に相当する制度はありません。
健康保険と同様の保険給付
健康保険などの医療保険制度と同様の保険給付が行われます。医療費の自己負担割合は1割または2割(現役並み所得者は3割)となります。
- ※「現役並み所得者」:後期高齢者医療制度では課税所得145万円以上の人等が該当。
- ※2割負担となる方:課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯200万円以上、複数世帯320万円以上の人(現役並み所得者を除く)
後期高齢者医療制度に加入すると、健康保険被保険者(被扶養者)の資格を喪失します
後期高齢者医療制度は他の医療保険制度から完全に独立した制度のため、加入後は、加入以前の健康保険被保険者・被扶養者等の資格を喪失します。
健康保険被保険者が75歳になり、加入制度が後期高齢者医療制度に切り替わった場合、被扶養者の方は被扶養者の資格を喪失しますのでご注意ください(下表をご参照ください)。
後期高齢者医療制度 加入前後の資格の状況
■▲被保険者・被扶養者とも75歳に到達 | ■▲被保険者・被扶養者とも後期高齢者医療制度に加入 |
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■被保険者…75歳に到達 ▲被扶養者…75歳未満 |
■被保険者…後期高齢者医療制度に加入 ▲被扶養者…健康保険被扶養者の資格を喪失→国民健康保険など他の医療保険制度に加入するか、他の家族の被扶養者となる |
■被保険者…75歳未満 ▲被扶養者…75歳に到達 |
■被保険者…健康保険被保険者の資格継続中 ▲被扶養者…健康保険被扶養者の資格を喪失→後期高齢者医療制度に加入 |
医療費控除
医療費控除とは、みなさんのご家族の分も含めて、1年間に支払った医療費が基準額を超えるとき、税務署に確定申告することにより、その超過支払い分の医療費が課税対象の所得から控除され、税金の一部が還付される制度です。
手続き方法など詳しくは、最寄りの税務署へお問い合わせください。また、国税庁ホームページからも調べられます。
- 参考リンク
医療費控除の手続き方法がわかるほか、画面上で確定申告書等が作成できます。
医療費控除額はどうやって計算する?

確定申告の時期は?
確定申告の時期は、毎年2月16日から3月15日までの1ヵ月間です。ただし、サラリーマンなど給与所得者による医療費控除等の還付申告については、1月からでも受け付けてもらえます。
確定申告に必要な書類は?
確定申告書(国税庁ホームページ上で作成可能)、給与の源泉徴収票、印鑑、還付金受取口座の預金通帳、マイナンバーカード(マイナンバーカードを持っていない方はマイナンバー確認書類と身元確認書類)などです。
なお、医療費控除(セルフメディケーション税制含む)の申告手続きは、平成29年分の確定申告から、医療費または医薬品の領収書の添付もしくは提示に代えて「医療費控除に関する明細書」を申告の際に添付する方式に改められ、併せて健康保険組合等が交付する医療費通知を医療費の明細書として利用できるようになっています。
また、申告に係る医療費等の領収書については、確定申告期限等から5年間保存する必要がありますが、添付した医療費通知が一定の要件を満たす場合、その通知に記載された医療費等の領収書については保存が不要となります。
- ※2022年1月より、健康保険組合等から電子交付された医療費通知データ(XML形式)を基に、申告者自身が「QRコード付証明書等作成システム」を用いて作成・印刷した「QRコード付控除証明書等」でも、書面申告に使用することが可能となります。
マイナポータル連携を活用したe-Tax申請について
マイナポータルに掲載された医療費通知情報を情報連携することにより、医療費通知情報のデータを取得することができます。
取得したデータを申告書とともにe-Taxで送信した場合、当該医療費通知情報に含まれる医療費については、領収書を保存する必要はありません。
「マイナポータル連携」の詳細は国税庁ホームページの「マイナポータル連携特設ページ」をご覧ください。
- 参考リンク
- 参考リンク
- ※マイナポータル連携をご利用になるには、マイナンバーカードとマイナンバーカード読取対応のスマートフォン(又はICカードリーダライタ)が必要です。
- ※医療費通知情報は毎年2月上旬以降取得できます。(2021年分は、2021年9月~12月診療分に限ります。2022年分以降は、1月~12月診療分の情報が取得できます。)
医療費控除の対象となる費用の例
- 医療機関に支払った治療費
- 治療のための医薬品の購入費
- 通院費用、往診費用
- 入院時の食事療養・生活療養にかかる費用負担
- 歯科の保険外費用
- 妊娠時から産後までの診察と出産費用
- あんま、指圧、はり、きゅうの施術費
- 義手、義足などの購入費
- 医師の証明がある6ヵ月以上の寝たきりの人のおむつ代
- 医師の指示と証明がある温泉利用型および運動型健康増進施設の利用料
- 訪問看護ステーションの利用料
- 老人保健施設、療養病床の利用料(介護費・食費・居住費の自己負担分)
- 特別養護老人ホームで受けた介護費・食費・居住費の自己負担分の半額
- ケアプランに基づく在宅介護サービスを医療系サービスとあわせて受ける場合の介護費自己負担分
- 特定保健指導のうち、一定の積極的支援の対象者が負担する特定健診・特定保健指導にかかる費用
セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について
適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、医療費控除制度の特例として、『セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)』が施行されています。
制度の概要
健康の維持増進および疾病の予防のために健診や予防接種等を受けていて、かつ、制度対象となるOTC医薬品の年間購入額が12,000円を超える場合、確定申告を行うことにより、12,000円を超えた額(上限金額88,000円)をその年分の総所得金額等から控除できる制度です。
- ※OTC医薬品:薬局やドラッグストアなどで医師の処方せん無しに購入できる薬(一般用医薬品・要指導医薬品)のこと。
対象となる期間
平成29年1月1日~令和8年12月31日
申告対象となる人
申告できるのは、対象となる1年間(1~12月)において、以下の3つの事項すべてに該当する人です。
- ①所得税、住民税を納めていること
- ②制度の対象となるOTC医薬品の年間購入額が12,000円を超えていること(生計を一にする配偶者その他の親族の分も含まれます)
- ③健康の保持増進及び疾病の予防への取組として、以下のいずれかを受けていること
- ・健康保険組合等が実施する健診(人間ドック、各種健(検)診等)
- ・市町村が健康増進事業として行う健診(生活保護受給者等を対象とする健診)
- ・予防接種(定期接種またはインフルエンザワクチンの予防接種)
- ・勤務先で実施する定期健康診断(事業主健診)
- ・特定健診(いわゆるメタボ健診)または特定保健指導
- ・市町村が実施するがん検診
- ※市町村が自治体の予算で住民サービスとして実施する健診は対象になりません。
- ※全額自己負担で任意に受診した健診は対象になりません。
対象となる医薬品
主に医師によって処方される医療用医薬品から、ドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品に転用された医薬品(いわゆるスイッチOTC医薬品、一部対象外あり)ですが、スイッチOTC以外の一般医薬品でも、医療費適正化の効果が高いとされるものは対象医薬品となります。
対象成分や品目等については厚生労働省のホームページに掲載されています。
なお、制度施行後は購入の際に参考となるよう、対象製品のパッケージに以下のような識別マークが表示されます。
通常の医療費控除との関係
セルフメディケーション税制による所得控除と、通常の医療費控除を同時に利用することはできません。 購入した対象医薬品の代金に係る医療費控除制度については、通常の医療費控除制度とセルフメディケーション税制のどちらの適用とするか、対象者ご自身で選択することになります。
確定申告の具体的な手続き等については、最寄りの税務署へお問い合わせいただくか、国税庁のホームページ等でご確認ください。
介護保険制度
介護保険は市区町村が運営し、40歳以上に加入が義務づけられている公的な社会保険制度で、対象となる人に介護サービスを行います。 健保組合は、健保組合に加入している介護保険第2号被保険者にかかる介護保険料の徴収を代行しています。
介護保険の対象者
介護保険では40歳以上の人が被保険者となり、年齢等により以下のように区分されます。健康保険の「被扶養者」に相当する制度はなく、加入者全員が被保険者となります。
- ※40歳以上の方でも介護保険の適用除外となる場合があります。手続きページをご参照ください。
65歳以上の人 | 第1号被保険者 |
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40歳以上65歳未満の医療保険加入者 (被保険者・被扶養者) |
第2号被保険者 |
介護保険のしくみ

介護サービスを利用したときは、利用者の負担能力に応じて、かかった費用の1割(所得の高い方は2割または3割)を自己負担します。自分の負担割合は、要支援・要介護の認定者に対して交付される「介護保険負担割合証」で確認することができます。
負担割合 | 所得基準 |
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2割負担 |
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3割負担 (2018年8月から) |
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- ※第2号被保険者、市町村民税非課税者、生活保護受給者は上記にかかわらず1割負担。
- ※1ヵ月の介護サービス自己負担額が44,400円(低所得者等は軽減措置あり)を超えた場合、超えた額が高額介護サービス費として払い戻されます。
介護保険の保険料
介護保険料の額や徴収方法は、被保険者の区分により以下のとおり異なります。
第1号被保険者の介護保険料
徴収方法 | 市区町村が徴収。年金月額15,000円以上の人は年金からの直接徴収。15,000円未満の人は個別徴収。 |
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計算方法 | 保険料額は、各市区町村が条例で設定する基準額に、所得に応じた段階別の保険料率を乗じた額となる。 |
第2号被保険者の介護保険料
徴収方法 |
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計算方法 | 標準報酬月額および標準賞与額に介護保険料率(健保組合ごとに異なる)を乗じた額。 |
特定被保険者(当組合では、こちらの対象の方からも徴収しています)
特定被保険者とは、40歳未満もしくは65歳以上の被保険者や、海外赴任等で国内に住所を有しない65歳未満の被保険者で、40歳以上65歳未満の国内に居住している被扶養者を持つ被保険者のことをいいます。
特定被保険者は、本人は介護保険の被保険者でありませんので介護保険料を負担する必要はありませんが、その40歳以上65歳未満の被扶養者は介護保険の被保険者にあたるため、介護保険料を負担することになっています。
これは、介護保険料については、各健康保険組合の40歳以上65歳未満の被保険者分と被扶養者分の保険料を合わせた額(介護給付費納付金という)を40歳 以上65歳未満の被保険者全体でまかなっており、被扶養者自身が介護保険料を負担することがないからで、特定被保険者から介護保険料を徴収しないと、その 世帯については、介護保険料を支払うことなく介護保険のサービスを利用できることになり、不公平が生じてしまうからです。
介護保険のサービス内容
介護保険のサービスには、以下のように「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」があります。
居宅サービス
- 自宅などを訪問してもらうサービス
訪問介護、訪問看護、訪問入浴介護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導 - 施設を利用するサービス
通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護 - 介護をする環境を整えるサービス
福祉用具貸与、福祉用具購入費の支給、住宅改修費の支給
施設サービス
要介護と判定された人のみ利用できます。
- ※原則、特別養護老人ホームへの新規入所者は要介護3以上の人に限定されます。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設(老人保健施設)
- 介護療養型医療施設(療養病床など)
地域密着型サービス
要介護の方が住み慣れた地域での生活を継続できるよう、多様かつ柔軟なサービスを提供するための枠組みです。
市区町村単位に事業が運営され、原則、所在市区町村の住民が利用できます。
- 小規模多機能型居宅介護
- 認知症高齢者グループホーム
- 認知症対応型デイサービス
- 夜間対応型訪問介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
第2号被保険者が介護サービスを受けられる場合とは?
40歳以上65歳未満の第2号被保険者は、以下の「特定疾病」に該当する場合にのみ、介護保険の介護サービスを受けることができます。65歳以上の第1号被保険者は、特定疾病の該当の有無は問われません。
- 初老期の認知症
- 脳血管疾患
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- パーキンソン病関連疾患
- 脊髄小脳変性症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
- 関節リウマチ
- 後縦靭帯骨化症
- 脊柱管狭窄症
- 骨折を伴う骨粗しょう症
- 早老症
- 末期がん
介護保険の適用除外となるとき
介護保険は40歳以上の方を対象にしていますが、次の方々は適用されません(事業主にその旨の届出が必要になります)。
- (1)国内に住所を有しない方(住民基本台帳に登録していない人)
- (2)在留期間および在留見込期間3ヵ月以下の外国人
- (3)適用除外施設の入所者