症状がないからといって安心はできません

性感染症は必ずしも症状が出るわけではありません


 かつての性病では性器などに痛みやかゆみなどがあり、自覚しやすかったのですが、そのような症状が全くない性感染症もたくさんあります。症状が出なくても感染力があるため、自分でも感染していることに気がつかないうちに、人にうつしている可能性があるのです。  
 例えばAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)ではHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した後、発症するまでは何年もかかります。その間、自覚症状はほとんどありません。性器クラミジア感染症では、女性の場合、知らないうちに骨盤内まで病巣が広がり、不妊の原因になることがあります。  
 また、オーラルセックスによって口やのどに、あるいはアナルセックスによって肛門や直腸に感染が及ぶことがありますし、キスによって、サイトメガロウイルスやエプスタイン・バール・ウイルスが感染し、伝染性単核球症が起こることもあります。  
 下記に性感染症で起こる主な症状を挙げました。これらには自覚症状としては出てこないものもあることを覚えておきましょう。





子宮頸がんの原因ウイルスもセックスによってうつります

 子宮頸がんの患者さんを調べると、高率にヒトパピローマウイルスが感染しています。ヒトパピローマウイルスは種類が多く、中でもタイプ16、18、31といった子宮頸がんのリスクが高くなる種類があります。これはセックスによって感染します。
 多くの女性は一生に一度はヒトパピローマウイルスに感染するといわれており、たいていは自身の免疫力で排除できるのですが、その免疫力が落ちているときに感染すると子宮頸がんにつながると考えられています。とくに不特定多数のセックスパートナーがいる場合、低年齢でのセックスの体験がある場合には、感染のリスクが高くなります。
 また、B型肝炎・C型肝炎のウイルス、アジアに多い成人T細胞白血病のウイルスは、血液によって感染します。そのため、性器に傷がついている、アナルセックスなどで出血した、月経中にセックスしたというケースで感染することがあるのです。経口感染するA型肝炎ウイルスはオーラルセックスによって感染することが明らかになっています。
 後で述べる性感染症の予防をすることで、子宮頸がんや肝炎などを避ける可能性を高めることもできるのです。


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